妊娠力を高める雑知識 

産婦人科にも勤務する鍼灸師が、これまでの臨床経験から不妊のあれこれを綴る。
さらに、妊娠力をたかめる方法を、東洋医学や骨盤矯正の見地から考えます。
<< June 2009 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

鍼灸不妊治療の「効きやすいタイプ」について

鍼灸の不妊治療において、例えば、基礎体温のグラフが変化するというような場合でも、3−6ヶ月くらいかかるのがよくあるパターンと言えるでしょう。

しかし、中には著効(いちじるしい効果がある)タイプの方がいて、1−2度の治療で、体調や状況ががらりと変化する場合もあります。

生理が60日くらいこない症例で、数回の治療で40日くらいまで生理がくるようになったり、逆に20日程度で頻繁に生理がくるような症例で、やはり数回の治療で25日までに日数が延びた例があります。

このような著効例では、比較的最初の段階から、治療後の体調の変化が際立っていることが多いです。

例えば、だるくてやる気が出ないという状態だったのに、翌日から人が変わったように早起きして、テキパキと家事を行ったりという具合です。

そんな変化があった場合には、むしろ家族の人には「不気味」と思われるらしく、「変な宗教で洗脳でもされたのではないか」と心配されたという話もでたくらいでした。(笑)

著効例を検討してみると、一つの共通点がみえてきます。
それは「自律神経の不調が主原因のタイプ」

ストレスやライフスタイルの関係で、自律神経のバランスが悪化しているタイプの人は、治療によるレスポンスが良い傾向があるのかもしれません。
鍼灸 | permalink | - | -

鍼灸治療の効果の判断

鍼灸の不妊治療とは、不妊の原因を直接治そうということではなく、例えば冷え性で、血流やリンパの流れが停滞しやすいタイプなら、それを改善することで、体の体質(設定状態)を変化させようというのが狙いです。

さて、鍼灸の不妊治療において難しい点は、「効果が上がっているのかどうか」の判断です。

腰が痛くて腰の治療を行うようなケースでは、痛みがどのくらい改善したかや、動作の様子などから改善の評価ができます。

しかし、不妊治療の場合には、基礎体温のグラフが安定したなどの指標をのぞくと、あまり参考になるようなものがありません。
自覚症状の改善などというのは、ほとんどないわけですから、あとは、病院などの各種検査の結果などで推察する意外に方法はないわけです。


ところで、考えてみれば、鍼灸の目先のターゲットとは、冒頭に述べたように、直接の不妊治療ではありません。
冷え症がターゲットなら、冷え症を治療しているわけです。

そのように原点に返って観察すると、狙いが達成できているかどうか、つまり治療がうまくいっているかどうかのある程度の判断はできるものなのです。

先日、ある不妊治療の患者さんがこんな感想を述べました。

「先生、私、最近腰回りが小さくなってきて、ジーンズなども腰回りが緩くなったんです」

「ああ、それは治療の効果が出ているのですね。あなたの場合には初診の時に説明しましたけど、骨盤の関節が緩いタイプで、立つと骨盤の周径がとても大きくなるタイプでしたよね、だから、骨盤を引き締めることを目標として治療をおこなってきたわけです。その効果が見えだしたということでしょう。」


目先のターゲットとして、何を設定したのかを振り返ることで、達成度を考えることができるわけですね。
ホメオパシー | permalink | - | -

冷え性

冷え性には大きく2種類があると考えます。

一つは、実際にその部位が冷えている、実体をともなっているもの。

もう一つは、本人が感覚として「冷え」を感じているが、実際には冷えていないもの。

どちらもいわゆる「冷え性」です。


感覚として冷えを感じているが、そんなに冷えていないというと、普通の方には少し納得が難しいかもしれません。

例えるならそれは、風邪の時の「さむけ」に近いと思います。

実際には、体温は下がっていませんが、とても「寒く」感じる。

それと似たようなことが、体の一部分に起こっているイメージです。


例として、胃腸を悪くすると、下肢の脛に冷えを感じることがあります。
内臓の状態などが、身体の感覚に変化を与えると考えられます。

子宮や卵巣といった下腹部の臓器の影響も、主に下肢へ反映されます。
不妊治療において下肢の冷えを重視するのは、そのためです。
鍼灸 | permalink | - | -

子宝の湯 栃尾又温泉

不妊治療中の世間話で、「以前、子宝の湯と言われている温泉にいったことがある」という話になりました。
いつもなら、とくに特長がない話であることが多いのですが、この方の場合には少し違っていました。

「温泉から帰った翌日、普段はあまり汗をかかない私が、すごく暑い感じで汗をたくさんかいた」という感想を述べたのです。

これは、聞き流すことはできません。

「どこの温泉ですか?」

「なんていう名称だったかな 小千谷(新潟県)の近くで子宝の湯で有名ということで行ったのです」

そのヒントで早速検索です。

ありました。

栃尾又温泉


検索してみると、なかなか特徴的!

微温湯ラジウム泉

なるほど、これなら「子宝の湯」と言えそうだと思いました。

通常、子宝の湯と言われるところでも、泉質としての特長はあまりなく、いわば転地療法というか、日常と離れた環境になるということが重視されている場合が多いものです。

また、体質によっても、熱めで、インパクトがある硫酸や硫黄が含まれた温泉の方が良いとか、ぬるめで、肌に優しい成分が良いとか、その辺の選り分けが必要だと考えていますが、微温湯ラジウムなら、どちらのタイプでも適応できると考えられるからです。

ラジウム泉は、放射能泉ともいわれます。
自然に存在する微弱な放射能が細胞への適度なストレスになり、代謝が活発になると考えられます。
勿論、体にとって危険性はありません。

このため、低温(微温湯)でも、あたたまり発汗し、翌日といった通常なら温泉効果が期待しにくい期間まで身体反応が継続する可能性があるのだと思います。

交感神経(興奮状態)を鎮めるべきタイプでは微温湯という温度で長時間入浴で効果が期待できます。
浮腫や冷えなどが主で、副交感神経(弛緩状態)を鼓舞させるべき、本来なら高温浴が望ましいタイプでも、ラジウムが適度な適刺激として働くという効能が期待できます。

ちなみにラジウム泉では鳥取県東伯郡三朝町の三朝温泉が有名です。
私の住む福島県では、母畑温泉などが有名なラジウム泉です。
雑談 | permalink | - | -

平らなおしり

不妊の鍼灸治療では、しばしば腹部の緊張の状態などが問題にされます。
簡単に言えば硬いお腹だと、条件として悪いということです。

腹部の状態は、軟式のテニスボールを圧したときにように、硬いコリなどにあたることなくへこむのが理想です。

圧して、硬い筋状のものに当たるとか、ごく浅い部位で脈拍の拍動を感じたりする場合、異常な緊張の一つとみます。

多くの症例をみてゆくと、おしり側にも、不妊にありがちな特長があることに気づきます。
これは、体験としての印象なので、「圧して硬い」というような誰にでも分かる例ではありません。

代表的と思うのは平面的な印象の臀部です。

女性の臀部はホルモンの影響で、曲線がより強調され、脂肪の付着も多いのが特長です。
しかし、うつ伏せで観察したときに、曲線の盛り上がりが小さく、腰から臀部までフラットに感じられるタイプがあります。

不妊を理由に来院される方には、そのようなタイプの割合が多い気がします。
pelvis 骨盤という視点から | permalink | - | -