鍼灸は、どんな病気に効果があるのでしようか。
世界保健機構 WHOでも、鍼灸の効能を正式にみとめています。
それをながめてみると、様々な病名が並んでいます。
あたかも、なんにでも効果があるかのような錯覚さえ覚えますが、そうではありません。
シンプルに表現し直せば、「機能的な異常には、効果があり」ということです。
機能的な異常とは何でしょう。
腰痛を例に説明します。
腰の機能は、動作を行う事です。
腰痛とは、その機能に障害が起こり、動作がしにくくなっている状態です。
単純に、そのような機能異常としての腰痛であれば、鍼灸で改善します。
ところが、それが「骨折」が原因で起こっていたとすれば、それば機能異常とは言えません。
腰痛があっても、「骨折」であり、「腰痛」ではないのです。
そういう場合には効果を期待することはできません。
余談ですが、骨折のように構造的な破壊が発生していても、実は痛みの全てが、骨の破壊からくる痛みではありません。
骨折を回復に有利になるように、痛みを積極的(過敏)に発生させ、動きを制限する「機能的」な痛みも同時に存在します。
治療を行えば、その部分の痛みについては「コントロール」できます。
さて、不妊症において、卵管が詰まっているなどの器官としての異常があれば、鍼灸は全く無効です。
器官としは問題が無いが、働きが低下しているとか、リズムが乱れているなどという機能の問題であるなら、効果を発揮できる余地が十分にあると考えます。